WILDSWANSの作り手について、その3です。
※こちらは2010年01月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。
例えば同じ素材・同じ技術を用いたとしても、丁寧に作られた物とそうでない物の違いは明らかに形となって現れます。
見た目はもとより、使用後の具合に大きく影響を及ぼしてしまいますので、WILDSWANSではこの「丁寧さ」がどうしても必要不可欠な要素である為、縫製するにも鉋をかけるにも、研ぎ澄まされた職人の動きをしながらも、1つ1つの作業に丁寧に時間をかけています。
機械だけでは得られない、手作業を選んだ人だけが持てる僅かな力加減、細やかな仕事の1つ1つが、結果として製品の耐久性を高め、美しい佇まいにさせます。
お客様に提供するに値する製品を作り続けるには、単に熟練された技術だけでも駄目なのだという意識が常に付いてまわるので、製品の開発にも時間がかかります。
その為、どんなに最短距離を辿ったとしても時間がかかってしまうのがWILDSWANSの作りの特徴です。言い換えれば、何か凄い特別な技術がある訳でも無く、ただひたすら丹念に、丁寧に製作しているだけなのです。
また、各々が木目細かい美意識をもって製作しているのも特徴です。WILDSWANSの製品はフルオーダーによる高額な1点物の「作品」では無く、あくまでも手が届く範囲の中でのクォリティの高い「製品」、というスタンスです。
1年位前にこのブログでBALINTの靴をご紹介する時も書きましたが、クォリティの善し悪しは最終的には職人個人が持つ美意識で決まります。沢山の経験を積み重ね、幾つもの技術を習得しても自分のハードルを何処に設定しているか、何を良しとしているかで、その人の仕事ぶりは大きく変わります。
世の中には高い技術と美意識を持ちながらも、スポットライトを浴びることなく黙々と仕事をこなしている職人さんが沢山いらっしゃいます。中には糊口をしのぐ生活をしていらっしゃる方もいるかも知れませんが、その人にとってはお金よりももっと大事な、譲れない何かがあるのかも知れません。
きっと「貧乏」は楽しめても「貧乏臭い」ことは楽しむことが出来ないのだと思います。
職人に限った話ではありませんが、「仕事ぶり」という言葉の「ぶり」の部分には、その人の人格や生き方が大きく反映されます。調子のいい人は調子良く仕事を進めますし、堅実な人は堅実に進めます。
言い換えればその人の仕事ぶりを見れば人格や生き方が丸出しになっている訳で、職人に至っては製品にそれが現れてしまいます。
不思議なもので、手作りの物には必ずそれが存在します。WILDSWANSの製品には、各々の仕事ぶりが刻まれていますので、是非とも実際にお使いになって、作り手の思いを体感していただきたと思っています。
またWILDSWANSの作り手は、春頃から(いつになるかまだ分かりませんが)毎週土曜日に交代でお店に来ますので、是非とも話をしてみて下さい。
もしかしたら製作裏話なども聞けるかも知れません。