※こちらは2010年01月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。
SUMAN DHAKHWAの特徴についてのご説明です。
地金を作り、そこから作品として昇華させるのは作り手の感性や美意識によるところが大きいので、今も木目金の技術を研究・実践している方の作品は千差万別です。
スーマンダックワの木目金のアクセサリーは、精緻で研ぎ澄まされたような日本の木目金文化とは異なり、どこか温かみがあり、優しい印象を持ち合わせているのが何よりの特徴です。(今回ご紹介したのはバックルとエンドパーツのみですが、リングやチェーン、ブレスレットなど機会があったら是非ご覧下さい。格好良い上に優しい雰囲気です。)
シルバーアクセサリーのブランドであるSUMAN DHAKHWAのデザイナーは、ネパールのネワール族出身と書きましたが、ネワール族は元々カトマンズにおける3大都市、カトマンズ、パタン、バクタプルを建てたと言われている程高度な文化を持ち合わせている民族で、特に建築や美術における木彫技術や金属工芸は世界的にも有名です。
15~18世紀に建設されたカトマンズ盆地のヒンズー寺院、仏教寺院などの建築物やその装飾は、ネワール文化の象徴でもあり、今でも建築・木彫工芸・金属工芸の分野ではネパール全体の文化に強い影響を与えていると言われています。
木目金が、金属工芸の分野で才能を発揮したネワール族というバックボーンを持つスーマンダックワに与えた影響は計り知れないものがあります。
スーマンダックワの作品は、日本で生まれた技術を用いながらネワール族、更にはスーマンダックワ個人の感性が加わり、日本のそれとはどこか違う雰囲気があるので、とてもユニークなところが面白いです。
出会いと言うのは面白いものです。何が起こるか分かりません。
さて、べルトの帯部分はイギリスのブライドルレザーを切りっ放しの1枚革で使用しています。
鑞を染み込ませてある大変堅牢な革で、無骨な雰囲気なのですが使い込む程に艶が増す革でもあり、元々は馬の手綱や馬具等に使われていた革と言われています。水気を弾き易くするための鑞引き加工で、日本と同じく雨が多いイギリスならではの革と言えます。
帯の色はブラックとチョコレート、ナチュラルの3色です。
1枚革といっても厚みが4ミリありますのでガチガチに硬いですが、お使いいただいているうちに、徐々に馴染んできます。この切りっ放しの無骨な革と、どこか温もりのあるスーマンダックワのバックルとの対比は新品の時も勿論格好良いのですが、バックルも帯も共にエイジングする為、使う程に調和していくというとてもユニークなべルトです。
そう言った意味では、このべルトを完成させるのはお客さんとも言えます。
正阿弥伝兵衛が生み出した木目金の技術が、まさかこのような形で枝分かれして伝わっていたとは、きっと初代も夢にも思わなかったことでしょう。
ご興味のある方は店員までお申し付け下さい。
(また、帯の長さは御客様のウエストサイズに合わせて調節しますので、お渡しまでに1週間程お時間をいただくことになります。ご了承下さい。)
出会いは不思議です。