※こちらは2010年01月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。
特殊な金属加工技術・木目金を用いたWILDSWANSのべルト、ROADに付いてのご説明です。
木目金べルト ROAD 68250円 (W3.2cm ・ フリーサイズ)
【※現在はお取り扱いがございません。】
今回は幻想的且つ幽玄な模様が浮き立つWILDSWANSとSUMAN DHAKHWA(スーマン・ダックワ)のダブルネームのべルトをご紹介いたします。(SUMAN DHAKHWAはネパールのネワール族出身のスーマン・ダックワが手掛けるインポートシルバーブランドです。)
ベルトの帯に当たる素材に付いては後々触れますが、今回ご紹介するこのべルトで最も特徴的なのは、バックルとエンドパーツに使用されている金具にあります。
この金具は木目金(杢目金・もくめがね)という長い歴史のある金属加工技術を取り入れた地金を成形したもので、この独特のマーブル模様を織り成しているのは、銀と銅になります。
ネワリ族出身のデザイナーが手掛けるブランドの金具でありながら、本来木目金は日本発祥のとても数奇な道を辿った加工技術で、ここには大変興味深い物語があります。
木目金は、古くは「鉄刀木地」とも呼ばれていたそうです。鉄刀木(たがやさん)は日本でも古くから木材として利用されてきた木で、杢目(もくめ)が大変美しいとされています。
とても重く硬いので「鉄の刀のような木」ということから鉄刀木と命名されたそうです。
「杢」とは原木を木材として切り出した際に現れる木の模様の1つで、ほぼ平行に揃った縞模様の「柾目(まさめ)」や、緩やかな曲線を描く「板目(いため)」などの模様の他に、稀に原木の瘤の部分などを切り出した際に現れる、柾目とも板目とも違う独特の渦巻き状の模様が点在する特殊な模様の木目を指します。木目金はこの「杢目」に大変似ていることから、木目金と呼ばれ出したと考えられます。
上の写真はべルトのバックルとは違い、プレート状のものですが木材の杢目に近い模様をしています。(この模様は1つ1つが異なり、同じものが2つと無いのが特徴です。)
さて、木目金のルーツは江戸時代初期の秋田藩に遡ると言われています。
秋田県には鉱山が多く、昔から金・銀・銅の産出により産業として栄えてきた歴史があり、当然の流れとして金細工・銀細工における加工技術の開発も当時から研究されていました。