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【#0200】革のむら染めについて 2

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※こちらは2009年12月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。

 

 Berlutiのむら染めについて、その2です。

 

 

 フランスのシューズブランド、Berlutiの現4代目当主のオルガ・ベルルッティさんはアートディレクターでもあるので、当然Berlutiの靴のデザインに関する事を全て統括しています。女性デザイナーが手掛ける紳士靴ということで、女性ならではの感性と視点で、色鮮やかな紳士靴を発表して靴業界に革命を起こしました。

 (ご自身でも「理想の男性に向けて、女の立場で作っている」とおっしゃっています。)

 と言うのも、数十年前にそれまでは全く使われることの無かった鮮やかなグリーンやイエロー、グレーの色を大胆に取り入れて、紳士靴業界でのタブーや常識を覆します。地味なモノでは飽き足らないお洒落な著名な方々に特に指示され、そのような靴は、実はカラフルな色に興味があっても中々手を出せなかった一般の人々をも一気に魅了しました。

 履き心地以前に、何よりも見た目がとにかく美しいので、1度見たら忘れられない鮮烈な印象を残します。

 革のむら染めと言うと、1枚の大きな革を丸ごと染色する方法もありますが、Berlutiの場合は異なります。カラリストと呼ばれる専門の職人が色を付けていきますが、異なる色を何層にも薄く塗り重ねていき、独特の色のムラや深みを出していきます。

 詳しい技法に付いては企業秘密ですが、修行の必要な、大変手間のかかる工程であることには違いありません。

 透明水彩絵の具のように下に塗った色が透けて見えたり、濃淡があったりと、奥深い表現が可能ですが、1枚の大きな革を丸ごと染色するのと違い、靴の1点1点に人の手を入れているところが手間のかかるところです。また、靴を成型してから色を入れていくのも大きな特徴の1つです。

 パティーヌと呼ばれる表現手段に付いては前回も書いた通り「古色にする」という技法の1つ・表現の1つですが、Berlutiの場合は更に深化させて、古色には拘らない独自の世界が既にあります。これも前回書きましたが、鮮やかな紫色やグリーンなどモード的な色も多く、先鋭的な側面も強いのが特徴です。

 色の塗り重ねや濃淡のバリエーションを用いた、古色を通り越したところにBerlutiの魅力があるのだと思います。

 

 

 こちらはWILDSWANSのノートカバーのOWL-A5に、これまた専門のカラリストが色付けしたものです。色のムラは均一ではない表情を生み出すので、独特の雰囲気がありますね。こちらは後日あらためてご紹介いたします。

 それでは。

 

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