※こちらは2009年11月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。
コバ専用の補修道具についてのご説明、その3です。
前回の補足になりますが、強めにSLICKERをかける場合は革小物本体が押しつぶされて、クニャっといくこともありますので、その場合は下に台を置いて水平にかけると良いです。
台となる物が無い時は机の端などでも良いです。この時、革製品の下に柔らかい布などを敷くと、製品も傷付かずに済みます。
手の平で革小物を押さえて横からSLICKERを水平にかけます。やり方は前回と一緒です。
圧力を加えながらコバの上を素早くスライドさせて、SLICKER側面の窪みを利用して磨きます。
ここまでの作業である程度修復されてはいますが、仕上げとして柔らかい布で乾拭きをします。基本的にはオイルやクリームの塗布の必要はありませんが、塗っておくとツヤが上がり見た目も綺麗になりますし、より長持ちします。
お好みではありますが、コバに関してはクリームの塗布をお進めします。
また、ここからの作業は「コバがそれ程傷んではいないけれど、ケアはしておきたい」という方にもお進めです。
使用するクリームですが、シューケア用品を扱っているところの物で構いません。(乳化性の所謂靴用クリームで、鑞と油脂が入っている物です。同じ皮革靴用であってもオイルメインの物よりも鑞メインのクリームの方が良いです。)
WILDSWANSの革小物の色がナチュラルの場合は、コバ部分に染料を入れていませんので、その場合は使用するクリームは無色のニュートラルの物が良いです。
クリームを極めて少量布に取り、薄く延ばしながら塗っていきます。使用する布は、不要になったTシャツの切れ端でも何でも良いのですが、目が粗くて硬い布よりも柔らかい布の方が良いです。
塗り終わったら、余分についたクリームを拭き取ります。
次に乾拭きしますが、この時に使用する布はクリームを塗布した時に使った布ではなく、それより更に目の細かい柔らかい布を使用します。
木でも石でも始めは目の粗いものから徐々に細かいものへと何段階かに分けて磨きますが、それと同じ理屈です。(余談ですが石製の調度品を磨く作業を昔テレビ番組で見たのですが、最終的には動物の柔らかい毛皮で磨いていました。)
コバを乾拭きする時のコツは、始めは少しだけ力を入れて乾拭きし、徐々に力を抜いて乾拭きしていきます。最終的には全く力を入れず、撫でる様に拭いていると不思議なことにツヤの上がり方が全然変わってきます。
木や石と同じですね。
コバを乾拭きすると、色がナチュラルの製品のコバは木目のように美しく輝きます。殆ど木と言っても構わないくらいですが、ここから数年間使っていくと更に色艶の深みが増していき、本当に使い込んだ家具のような風合いに変わっていきます。