※こちらは2009年09月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。
神秘的な革、ガルーシャ(エイ革)を使った革小物の経年変化についての続きです。
経年変化というのは、自分では中々気付かないものですが、ガルーシャのそれは牛革よりも更にゆっくりとしているので、本当に中々気付きません。
また使い込んだ時の風合いも牛革とは大きく異なり、使い込んだガルーシャの革小物はアンティ-ク雑貨のような雰囲気で、美しくも郷愁を誘う佇まいとなります。(革自体が硬質なせいか、骨董品のような印象を受けるのかも知れません。)
上の写真の2つ折りのお財布は、WILDSWANSでガルーシャのシリーズを製作するにあたり試作された物で、現在もスタッフが使い続けている物です。(色は定番色のチョコレート色ですが、現行のガルーシャを使ったFRAMEシリーズとは意匠が少し異なります。)
↑ こちらはアイテムは異なりますが、使っていない新品の状態です。
先述の通りエイの背中にあたる部分にはザラザラとした突起が無数有り、それを研ぎ出しフラットに研磨すると、ツルツルの質感へと変わります。研磨されたカルシウムの部分は、まるでパールのような白い水玉模様になり広がっていくので、ガルーシャは革の中でも「海の宝石」と呼ばれています。
新品の状態から暫くはキラキラと輝き続けるのですが、数年経つとその輝き具合の質が異なってきます。輝いてはいるのですが白く光る輝きではなく、徐々にですが、渋い色付きの輝きへと変わっていきます。それから更に数年後、気が付くと無数に散らばったパールに見えていたのが、使い込んだ琺瑯のようなクラッキング模様に見え始めます。この頃になると全体に風格が漂うようになります。
ガルーシャの場合、白い水玉同士の間にある細い繊維が革の繊維にあたりますので、この部分の色は確実に変わっていきます。(色が深くなる場合もあれば薄くなる場合もあり、これは使う人の使用方法・使用頻度によって変わります。)
また白い水玉模様も数年間使い続けると何らかの色が付きます。これもまた使う人の使用方法・使用頻度によって異なり、セピア色になったりグレーになったり様々です。正直どんな色になるかは私にも分かりません。
この細い繊維の部分とカルシウム部分の色の付き方、深まり方の相違こそがガルーシャの革全体に深みを与え、奥行きのある風合いへと変えていくのだと思います。