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【#0076】GALUCHAT(ガルーシャ)について 2

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※こちらは2009年5月に更新されたアーカイブ記事です。
記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。

 

実は大変強度の高いガルーシャの革。  

白い斑点はリン酸カルシウム成分です。

 

 

実は日本でも古くからガルーシャは、刀剣などの武具の装飾に使われていました。現存する最古のものとしては、正倉院に所蔵されている「金銀鈿荘唐太刀(きんぎんでんかざりのからたち)」という非常にゴージャスでデコラティブな宝物です。  

奈良時代の刀剣とされていますから、今から1000年以上も前のものですが伝世品であるため、極めて状態が良いそうです。金銀鈿荘唐太刀の柄の部分に、白いエイの革が巻いてあります。「白鮫の革」と呼ばれたりもするのですが、これは日本古来より「サメ」という言葉の持つ意味の範囲が広い為です。(同様にサメ革のわさびおろしも、実際にはエイ革である場合が少なく無いです。)  

余談ですがこの金銀鈿荘唐太刀は、装飾をやり過ぎてしまった万年筆に通じる美しさと格好良さがあり、一見の価値があります。  

ガルーシャがこのように古くから使われだした理由は、見た目の妖しい美しさもあるのでしょうが、何よりその強度に着眼したからなのではないかと思います。表面のビーズ状の粒々は歯や骨と同じリン酸カルシウムなので、とても硬くて丈夫です。  

生々しい形をしていますが、下の写真は裁断する前のガルーシャです。(原皮の状態ではなく、鞣しも染色も施されています。)

 

 

何しろ硬いので、革切り包丁も刃毀れを起こしますし、ミシンの針も折れる程です。(戦国時代は鎧の下にエイ革の胴着を着て刀を通さないようにしたとも言われています。それ位切れにくい革です。)  

硬いと言っても板のような状態ではなく、ふにゃっとしています。なのに切れにくいという、職人泣かせの大変加工の難しい革です。(板のように硬い加工を施したガルーシャもありますが、こちらは革製品ではなく、高級家具の装飾などに使われることが多いです。)  

中心にある大きな斑点は、「スターマーク」とか「天眼(神の目)」と呼ばれています。エイ自体がラッキーフィッシュと呼ばれるので、古くから人々を魅了する神秘的な存在だったのかも知れません。  

ガルーシャは皮革の中でも大変高級な素材である上に、この大きな斑点は当然1匹から1つしかとれないので、貴重な部位として珍重されています。牛革同様に自然のものなので、大きさや全体の模様には個体差があり、1つ1つに違いがあって面白いです。

 

 

続きます。

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