キャッシュレス化の波は止まることなく、現代の私たちの生活に大きな影響を与えています。このような中で財布に求められる機能も変化しています。例えば、硬貨や紙幣を使用するシーンが減少したことで10年前と比べると財布も小型化が進み、沢山の種類のミニウォレットが登場しました。WILDSWANSにおいてもPALMをはじめ複数のミニウォレットやスマートウォレットを展開してきましたが、今回は新たに製作したスマートかつコンパクトなマネークリップウォレット・MINIMAL(ミニマル)をご紹介させて頂きます。
〇マネークリップウォレット・フルグレインブライドルMINIMAL・・・・・30,800円(税込)
(サイズ:H88×W103×D5mm 重量:約50g)
(カラー:ブラック、ダークステイン、ロンドンカラー)
MINIMALは、2つの皮革を用いた2種類のバージョンにて製作しています。1つ目の皮革は、もはやWILDSWANSになくてはならない存在となったフルグレインブライドルレザーです。フルグレインブライドルレザーは、のどかで牧歌的な雰囲気が漂うイギリス・デヴォン州を拠点とする、ベイカー社が製造しているブライドルレザーです。長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた伝統的な製法により仕上げられるフルグレインブライドルレザーは、耐久性に富みながら豊かなエイジングが楽しむことができます。
画像左はスタッフが約3年使用したミニ財布・フルグレインブライドルPALM/ダークステインのエイジングサンプルです。使用前と比べるとその変化は一目瞭然です。色味が深まり、表面は強い光沢で覆われています。これまでクリーム等は塗布していないにもかかわらずこれだけの光沢が現れるのは、皮革内部に良質なロウ分と油分が十分に含まれている証でもあります。
フルグレインブライドルレザーは、一番強度が強いとされる皮革表面(=ギン面)を削らずに仕上げるため、原皮段階が残るキズ、シワ(トラ)、血筋、シミ等がそのまま残ります。また、同時にブライドルレザーならではの白いロウ分(ブルーム)が現れることも珍しくなく、スモーキーでワイルドな風貌はまさに圧巻です。
さらに耐久性の高いフルグレインブライドルレザーは、極めてハリ感が強く、革を曲げ伸ばしすると「ギュウギュウ」と独特の音を奏でます。「屈強」という言葉がぴったりの何とも頼もしい質感です。
〇マネークリップウォレット・イングリッシュブライドルMINIMAL・・・・・25,300円(税込)
(サイズ:H88×W103×D5mm 重量:約50g)
(カラー:ブラック、ダークブラウン)
※現在のところイングリッシュブライドルレザーのバージョンでは、ネイビーとバーガンディの製作予定はございません。このため発売後に完売となった場合のご予約については、ブラックとダークブラウンのみ承りさせて頂きます。
MINIMALのもう一つのバージョンでは、アメリカ牛革のイングリッシュブライドルレザーを用いて製作しました。イングリッシュブライドルレザーは、アメリカのペンシルバニア州のウィケット&クレイグ社が製造するブライドルレザーです。ウィケット&クレイグ社も100年以上の長い歴史を持つタンナーで、良質な皮革を世界中に供給しています。イングリッシュブライドルレザーは、ウィケット&クレイグ社を代表する皮革の一つで、選りすぐりの北米産原皮を自社のピット槽で長い時間を掛けて仕上げるフルベジタブルタンニン鞣しのブライドルレザーです。
同じブライドルレザーであるフルグレインブライドルレザー(画像左)とイングリッシュブライドルレザー(画像右)の大きな違いは、「見た目」と「質感」です。イングリッシュブライドルレザーもギン面(=ギン面)を削らずに仕上げるフルグレインブライドル仕様のブライドルレザーです。このため、フルグレインブライドルレザー同様に、皮革表面には原皮段階で生じたキズ、シワ(トラ)、血筋、シミ等がありますが、フルグレインブライドルレザーに比べて全体的に均一な見た目により、荒々しさよりも上品なイメージが勝ります。また、フルグレインブライドルで見られる白いロウ成分は、イングリッシュブライドルレザーにおいてはほとんど見られません。もちろんイングリッシュブライドルレザーにも皮革内部に十分なロウ分と油分が含まれているので、このロウ分の出方の違いはそのまま製造方法の違いとなります。そして、極めてハリ感の強いフルグレインブライドルレザーに対し、イングリッシュブライドルレザーは、一定のハリ感を備えながらも適度なしなやかさを併せ持ちます。少し例えが極端にはなりますが、「剛」のフルグレインブライドルレザーと「柔」のイングリッシュブライドルレザーというイメージになるでしょうか。
しなやかではあるもののイングリッシュブライドルレザーもフルグレインブライドルレザーに劣らない耐久性の高い皮革です。そして、使用していくことでフルベジタブルタンニン鞣しならではの豊かなエイジングが期待できる皮革でもあります。
画像左はスタッフが約3ヶ月使用したミニ財布・イングリッシュブライドルPALM/ブラックです。かなり短期間の使用ではありますが、すでに表面には穏やかな光沢が現れています。使用前のマットな状態とは明らかに異なる趣となり、継続して使用することでさらに力強い光沢が現れることも期待できます。
続いてMINIMALの仕様についてご説明させて頂きます。ステンレス製のオリジナルクリップが付属された面が本体の表となります。このためこの面のステッチが上糸となります。
WILDSWANSの革小物において、留め具のホックやファスナー以外で金属パーツが用いられるのは非常に稀です。着脱式となるこちらのパーツは、先端の反りあがった部分に指を掛けて上部に移動させることで本体から外します。お使い始めはオリジナルクリップの着脱の際に硬さを感じることがありますが、使用して頂きますと少しずつスムーズになります。
オリジナルクリップ自体のサイズは、H47×W24×D4mm、重量は約14gです。所々になだらかなカーブを描く、WILDSWANSらしい曲線使いが美しいこちらのマネークリップの表面には、WILDSWANSのロゴが刻印されます。
ホールド力に優れているため、単体のマネークリップとして紙幣やカードを挟んで使用することもできます。
再度本体と結合する際は、オリジナルクリップの長い部分を本体の窪みに入れて、スーっと挿入します。 ※MINIMALはステンレスのオリジナルクリップを装着した状態でご用意しております。オリジナルクリップを外した状態での本体ご用意はございません。また、今のところオリジナルクリップとMINIMAL本体それぞれにおける単体での販売予定はございません。
本体と接続した状態では、画像のようにオリジナルクリップに折りたたんだ紙幣やカードを挟みます。
背面にはブランドロゴが刻印された3段式のカード段が付きます。お使い始めにカードを出し入れする際は少々硬さを感じますが、少しずつ馴染んでスムーズになります。パーツの変形を防ぐため、カード段1段に対するカードの挿入は1枚でお願い致します。
カード段が付いた背面のステッチは全て下糸となります。
とてもコンパクトなMINIMALは収納場所を選ばず・・・・・
例えばシャツのポケットや・・・・・
ジャケットの内ポケット・・・・
マチの無い鞄のポケット・・・
WAVE等の大型長財布の中などあらゆる場所に収納が可能です。
最後にMINIMALで使用しているフルグレインブライドルレザーとイングリッシュブライドルレザー、2つの皮革のお手入れ方法についてご説明させて頂きます。どちらも皮革内部にロウ分と油分が十分に含まれていることから、基本的に皮革用のクリームを使用する機会はほとんどありません。月に一度程度の割合で、ブラッシングと柔らかい布やレザーグローブ等を用いての乾拭きで完結します。また、どちらも耐久性の高い皮革ではありますが、水分や汗を嫌うことから、これらが付着した際はなるべく早い段階で取り除くことをお勧めします。なお、防水スプレーについては飛沫がシミなどになり皮革の風合いが損なわれる可能性もあるため、極力使用しないようお願い致します。
2つの素材共にスマートでありながら、コバの厚みを5mmに設定したことで、素材自体が持つ強度を十分に生かしたWILDSWANSらしいアイテムに仕上がりました。
ご紹介していますマネークリップウォレット・MINIMALは、WILDSWANSの直営店であるC.O.U.銀座店、WILDSWANS Online Shopにて8月22日12時より発売致します。
是非ご覧ください。