革製品にキズはつきものですが、少しでも美しく、きれいな状態で使いたいですね。
今回は、そんな革製品のキズについての対処法の一部をご紹介致します。
こちらは現在スタッフが約3年使用しているWILDSWANSのミニ財布・フルグレインブライドルPALMのダークステインです。
こんがりと焼きあがった肉料理のように表面の色味が濃くなり、光沢を帯びたエイジングを遂げています。
こちらの画像では使用前と使用後を比べてみました。
画像左が使用前、画像右が使用から約3年のフルグレインブライドルPALMのダークステインです。
変化は一目瞭然ですが、フルグレインブライドルは他のタンニン鞣しの革に比べてエイジングの速度が速いため、使用から半年くらいでも目に見えた変化が現れます。
こちらに使用されているイギリス・ベイカー社のフルグレインブライドルレザーは、伝統的な製法を現代においても忠実に守り、分厚く、良質な原皮を1年もの長きにわたり、じっくりと時間をかけて革にしていきます。
また、通常のブライドルレザーとは異なり、一番強度が高いとされる、革の表層部であるギン面を削らずにそのまま生かす大変珍しい革でもあります。
このため非常に耐久性に優れた強靭な革ですが、タンニン鞣しのスムースレザーということもあり、当然ながら使用するといつの間にかキズが付いていることがよくあります。
キズが付くともう少し丁寧に使用していれば等と後悔の念に苛まれますが、一定範囲内の浅いキズでしたら、比較的簡単にキズを目立たなくさせるケアを施すことが可能な場合がありますので、一例としてご紹介させて頂きます。
まず、今回ケアする傷の状態をご確認ください。
そこまで深いキズではありませんが、背面のポケット左上と左下の数か所にわたりキズが入っています。
まずは馬毛のブラシを使用してブラッシングでケアしてみます。
初めにあまり力を入れずにキズ部分にブラッシングをかけてみましたが、ほとんど改善が見られませんでした。
次に、先程の倍くらいの力で表面にブラッシングをかけてみました。
若干キズが目立たなくなったような印象ですが、依然としてはっきりとキズが残っています。
次にコットン100%の目の細かい布を使用して乾拭きをしてみました。
こちらも初めはそれほど力を入れずに乾拭きをしてみましたが、あまり改善がなかったため、より力を込めて、キズがついた表面を乾拭きしてみました。
するとブラッシングに比べて明らかにキズが目立たなくなりました。
コツとしては、指の腹を使ってキズのある部分に布を押し当てるように擦ります。
但し、あまり力を入れ過ぎると、今度はこちらが原因となるキズが付いてしまうため、力加減には十分ご注意ください。
また、コットンの他にレザーグローブを使用した乾拭きでも同じような効果がありました。
革には本当にたくさんの種類があり、全ての革に今回のようなケアが有効とはなりませんが、フルグレインブライドルは革の内部に豊富な油分とロウ分を含んでいるために、キズが馴染みやすくなっている可能性があります。
今回ご紹介させて頂いたフルグレインブライドルの製品以外にも、お使い頂いておりますWILDSWANS製品のメンテナンスやお修理に関しましては、WILDSWANSの直営店であるC.O.U.銀座店、C.O.U.京都店、WILDSWANS support & gallery 、WILDSWANS Online Shopにていつでも承っております。
遠方にお住まいのお客様、お時間の都合でご来店が難しいお客様は郵送でのメンテナンス、お修理も承っておりますので、ご希望のお客様はこちらからお手続きをお願い致します。
また、現在フルグレインブライドルアイテムにおきまして、在庫のご用意がないアイテムやカラーがございますが、これらのアイテムに関しましては随時ご予約を承っております。
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