WILDSWANSでは世界中の様々な皮革を使用して、オリジナルレザーアイテムの製作を行っています。WILDSWANSが求める高い耐久性に対応する皮革は、その特徴や個性も様々です。
【WILDSWANSが製作に使用する4つの皮革】
前回のNEWSではWILDSWANSで定番の4つの皮革についてご紹介しましたが、2回目となる今回はより少しマニアックな皮革を4つ紹介させて頂きます。
【各皮革の共通点】
①曲げ伸ばし、引き裂きに強く、皮革としての基本的な耐久性が高い。
②各皮革の強度についての優劣はない。(こちらは今回ご紹介する4種の皮革のみならず、WILDSWANSで製作する他の皮革にも当てはまります。)
【各皮革の相違点】
①原材料となる動物の違い。
・牛革→シュランケンカーフ、ロイドヴァッシュ、ノボナッパ
・馬革→オリジナルコードバン
②鞣し方法の違い
・シュランケンカーフ→クローム鞣し(塩基性硫酸クロム塩とよばれる“クロムを含む化学薬品”を鞣し剤に用いた製法)
・オリジナルコードバン→タンニン鞣し(植物由来の鞣し剤を用いる製法)
・ロイドヴァッシュ→タンニン鞣し(植物由来の鞣し剤を用いる製法)
・ノボナッパ→コンビ鞣し(タンニン鞣しとクローム鞣しの2つを組み合わせた製法)
③水や傷に対する耐性
一般的に鞣し方法ではクローム鞣し>コンビ鞣し>タンニン鞣しの順で水への耐性があると言われています。ただし、クローム鞣しの皮革でも防水性や撥水性の皮革というわけではないため、水が付着した場合はできるだけ早い段階でこちらを拭いて頂く必要があります。キズについては、4種の中で唯一表面に凹凸があるシュランケンカーフの耐性が高いと言えます。他の3種についてはスムースレザーのため、キズへの耐性はそれほど高くありません。ただし、いずれもエイジングが期待できる皮革となりますので、キズも風合いの一つとしてお楽しみください。
【皮革の質感の違い】
手触りなど質感の違いもあるものの、より分かりやすいところではハリ感の強さが異なり、全般的にハリ感の強さの序列は次のようになります。
ロイドヴァッシュ>ノボナッパ>オリジナルコードバン>シュランケンカーフ
ただし、ハリ感の強さ=耐久性の高さではありません。また、同じ皮革でも個体差によりハリ感の強さが異なりますので、必ず上記の序列とならない可能性もあります。さらに皮革の厚みは、皮革ごと、または同じ皮革でも少し個体差があります。
【エイジング】
今回も4種の皮革についてエイジングサンプルをご用意しました。エイジングについては、皮革の鞣し方法が大きく影響しますが、クローム鞣しやコンビ鞣しに比べるとタンニン鞣しのエイジング幅が大きくなります。
・シュランケンカーフ(クローム鞣し)
カラーはブラック。アイテムは二つ折り財布・GROUNDER。使用期間は約1年です。
・オリジナルコードバン(タンニン鞣し)
カラーはグレー。アイテムはマルチカードケース・ARTHUR。使用期間は約半年です。
・ロイドヴァッシュ(タンニン鞣し)
カラーはルージュ。アイテムはミニ財布・PALM-V2。使用期間は約半年です。
・ノボナッパ(コンビ鞣し)
カラーはブラック。アイテムはがま口財布・FERMOIR。使用期間は約半年です。
いかがでしょうか。WILDSWANSで製作に使用する主な皮革についてご案内させて頂きました。前回に比べると少し馴染みがないかもしれませんが、それぞれに個性が光る素材です。各皮革ごとにオンラインショップの製品ページリンクをつけておりますので、気になる皮革がございましたら次のリンクからご覧ください。
WILDSWANSの直営店ではオンラインショップと実店舗であるWILDSWANS銀座店の在庫管理は異なりますので、オンラインショップに在庫のご用意がない製品がWILDSWANS銀座店にご用意があるケースもございます(逆に銀座店に在庫が無い場所でもオンラインショップに在庫があるケースもあります。)。また、入荷案内対象の製品がどちらの店舗でも品切れの場合は、オンラインショップの製品ページ内の入荷案内フォームへのリンクまたはWILDSWANS銀座店の店頭などでも入荷案内を承ります。(WILDSWANS銀座店の在庫のお問い合わせはこちらのインスタグラムのDMよりお願い致します。)