シェーカー家具とは、19世紀にアメリカで発展したキリスト教団体・シェーカー教の信者たちが自給自足に近い生活を送るなかで生み出した、機能性を追求した実用的な家具のことです。そのシンプルなデザインの中から生まれた美しいシェーカー様式は現在もなお、世界中の家具デザイナーに影響を与え続けています。
シェーカーボックスはそのシェーカー家具の一つである、薄い木材を曲げて作られるシンプルなオーバル型の木箱です。
薄い木材を曲げて作られるオーバル型の木箱といえば日本ではお弁当箱等に用いられる曲げわっぱが馴染み深く、シェーカーボックスは初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。曲げわっぱとシェーカーボックスは外観こそ似ていますが接続部分の留め具が異なり、曲げわっぱは桜の皮、シェーカーボックスは銅の釘で留められていることが特徴です。そのため、曲げわっぱはお弁当箱などの水・食品に触れる用途で使用され、シェーカーボックスは主に日用品を入れる用途で使用されます。
今回はそのシェーカーボックスをサドルプルアップレザーとフルグレインブライドルレザーの床革（とこがわ）で製作する運びとなりました。
WILDSWANSならではのこだわりをディティールに落とし込んだ、ほかに一つとないアイテムに仕上がりましたのでぜひ最後までご覧くださいませ。
〇シェーカーボックス・SADDLE PULL UP / GORDON（ゴードン）・・・55,000円(税込)
Color：BLACK、CHOCOLATE
重さ：約540g
〇シェーカーボックス・FULL GRAIN BRIDLE SPLIT / GORDON（ゴードン）・・・24,200円(税込)
Color：NATURAL
重さ：約525g
サイズ全体：（外寸）約W22×D16×H12cm
サイズ本体：（外寸）約W20.7×D14.7×H10.5cm
サイズフタ：（外寸）約W22×D16×H6.4cm
※皮革の個体差により、重さやサイズは多少前後します。
堅牢で硬質なサドルプルアップは耐久性が高く、永くお使い頂いてもハリ感が損なわれにくい皮革です。また、使い込む程に皮革表面には力強い光沢が現われ、色味は一段と深くなります。
こちらは5年使用したサドルプルアップBYRNEのブラックです。 製品全体が光沢を纏い、ホックが設置された部分はその形がくっきりと分かるほどアタリが出ています。
サドルプルアップは内部に油分が潤沢に含まれていますので、頻繁にクリームやワックスを塗布する必要はございません。メンテナンスは非常に簡単で、馬毛ブラシや柔らかい布で乾拭きをして頂ければ大丈夫でございます。
※サドルプルアップ 傷の様子
※サドルプルアップ トラの様子
※サドルプルアップ 血筋の様子
〈サドルプルアップ 注意事項〉
・タンニン鞣しの自然な仕上げを施しているため、皮革の表面にはシワ、トラ、血筋、傷などが含まれ、皮革の色味にはムラや色ブレがございます。
・油分が多い皮革のため、コバ（革の裁断面、製品の縁）の部分に革の重なりが線のように現れるケースがあります。また、ご使用頂くことで線がより顕著に現れる可能性があるため、コバ部分を過度に変形させないようご注意ください。
・他の素材に比べて、パーツが密着する箇所にパーツやステッチの跡が残ることがあります。
これら皮革や製品の性質は避けることが困難となりますので、予めご了承ください。
フルグレインブライドルレザーはオークバーク(オークの樹皮)から抽出した溶液を用い、1年以上の期間を費やしてじっくりと鞣され、さらに蜜ロウ、タロウ、植物性油などのワックスを潤沢に染み込ませて耐久性を上げています。
今回のシェーカーボックスでは、革の顔ともいえる銀面（表面）を漉いた床革（とこがわ）を使用しています。床革に対しあまり馴染みがないかもしれませんが、年末年始に製品をご購入頂いたお客様へお渡しをさせて頂いている卓上カレンダーの台座がこちらに当たります。また他にも、トートバッグ・Barrel Toteの芯材に使用されていることも記憶に新しいです。床革はナチュラルな雰囲気を醸し出すのみならず、見えないところで製品を支える縁の下の力持ち的存在でもあります。
こちらは、フルグレインブライドルレザーの床革に意図的に摩擦をかけたものです。 色が何トーンか暗くなり、ほんのりと艶が出始めていることが分かります。
※フルグレインブライドル床革 血筋の様子
※フルグレインブライドル床革 シミの様子
〈フルグレイン床革 注意事項〉
・タンニン鞣しの自然な仕上げを施しているため、皮革の表面には様々な傷、血筋、シワ、シミ、へこみ、ピンホール等が含まれます。
・色味の濃淡やブルームの出方には個体差がございます。
・質感の個体差として張りの強いものからしなやかなものまで様々ありますが、皮革の強度や耐久性に差はございません。
・高温多湿の環境に長期間置いた場合、カビが発生しやすくなります。さらに長期間蓋を開けない状況ですと、内側にカビが発生する可能性が高くなります。一度発生したカビを除去することは困難となりますのでご注意ください。
これら皮革や製品の性質は避けることが困難となりますので、予めご了承ください。
WILDSWANSでは今まで財布類をはじめ、眼鏡ケース、ポーチ等の携帯性・実用性に特化した収納ケースは数多く製作して参りましたが、インテリアとしての収納ケースは今回が初めての試みとなります。 複数の革を張り合わせて強度を保ち、複雑な製造方法で立体的に組み上げられたその様は、本当に革のみで作られたものかと疑いたくなるようなインパクトがあります。
WILDSWANSのシェーカーボックス・GORDON（ゴードン）は蓋と本体の2つのパーツから構成されています。蓋と本体でサイズは異なりますが、側面をぐるっと囲う革パーツと、天板や底に設置された革パーツで構成されていることは共通しています。側面のパーツは70cmほどの長さを有していますので、革の表情を観察するようにくるくると回したくなってしまいます。
従来の木製のシェーカーボックスは、側面の接合部分を「スワロウテイル」と呼ばれる燕尾形の繊細な木で留めていることが特徴です。 一方WILDSWANSのGORDON（ゴードン）では、ブランドが持つ堅牢で武骨なイメージを接合部分のディティールに取り入れ、太めの先端部分を頑丈な銅のリベットで留めています。 特徴的な先端部分は本体に2本、蓋に1本設置されていますが、蓋を被せた時に本体のリベットと位置が揃うよう、先端部分の位置や太さを設定しています。 先端や分かれ目部分の曲線からは、WILDSWANSの小物製品に共通するようなディティールが感じ取れます。
こちらのリベットは、サイズこそ違いますがヴィンテージデニムにも使用されているものです。抜き打ちと呼ばれる幅広い厚みに対応可能なタイプなので、革の厚みに多少ばらつきがあるフルグレインブライドルレザーの床革でも安定して打ち込むことが可能です。
銅のリベットは革と同じように経年変化をしていきます。酸化をして少しずつ深みが増し焦げ茶に近づいていく様子は、まさしくアンティークそのもの。1年後、5年後と変化をしていく様をお楽しみ下さい。
蓋の中央にはWILDSWANSの刻印が押されています。大きい盤面を使用したパーツですので、それに伴い小物類よりも大きく堂々と刻印が押されています。お手持ちの小物製品と見比べて頂いても面白いかもしれません。
厚い革を数枚貼り合わせて磨き上げたコバは、財布などの小物製品にはない分厚さを誇ります。 サドルプルアップのブラック、チョコのコバは顔料にて仕上げております。WILDSWANSの財布等のコバの仕上げと異なりますので、コバ磨きのスリッカーはご利用頂かないようお願い致します。
一方、フルグレイン床革は染料・顔料を用いないナチュラルな磨きをしています。
内装の収納部は、十分な深さを備えた大容量の1室構造です。リベットの底部分が内側に顔をのぞかせています。
蓋も本体と同じ構造になっておりますので、ひっくり返せば蓋単体で深めのトレイとして 使用することも可能です。
蓋を使わないときは本体の下に重ねて置くことが出来ます。
GORDON（ゴードン）は底よりも蓋が大きいため、蓋の上に重ねることもできます。
カラー違いや素材違いで揃えたくなるような収集欲が掻き立てられます。
大人にとってのお道具箱、宝物箱的存在になってくれそうなシェーカーボックス・GORDON（ゴードン）。 何を仕舞おうかと想像が膨らみます。
思い出のコインケースTONGUEを入れて。
革小物をお手入れするためのメンテナンス用品を入れて。
お気に入りのストール類を入れて。
旅のお供のカメラを入れて。
お手紙セットを入れて。
日用品をざっくりと収納し、大切な宝物をがっしりと守ってくれる。 WILDSWANSの堅牢さ、重厚感を体現した、眺めても楽しいシェーカーボックス・GORDON（ゴードン）です。
今回ご紹介したアイテムはWILDSWANSの直営店であるWILDSWANS support&gallery とWILDSWANS Online Shopで販売中です。 こちらのアイテムは定番製品となりますので、完売後は入荷案内を承ります。入荷案内のお手続きは商品ページ内にございます、入荷案内フォームのリンクよりお願い致します。
