※こちらは2009年2月に更新されたアーカイブ記事です。記事内に掲載されているアイテム、及び発売予告などの記述に関しましては過去の記事となりますので現在はお取扱いを行っていなかったり、また既に完売となっているものもございますこと、予めご了承下さいませ。
その財布は「旅」をしてきた顔をしてました。
Tさんが持っていてのはWILDSWANSのWINGSという名の財布でした。WINGSは今から約10年前、WILDSWANSが産声をあげた時に発表したモデルです。
つまりWILDSWANS第1号の財布です。同時期にSPRITTER(廃番)、STICKY(廃番)と言った財布が有りましたが現在は生産しておらず、当時から今でも残っているのがWINGSです。
スワンが羽ばたく意味も込められたWINGS。
刻印は当時と変わりましたが、形そのものは変わっていません。
上の写真が発表当時のWINGSで、下の写真が現行のものです。
当時は表にWSSCと刻印が入っていました。
革製品に限らず、物は長く使えば使う程、そこに物語が生まれます。
家具がそうであるように、道具がそうであるように、革製品もまた然りです。
Tさんが使っているこの財布も、おそらく持ち主しか知らない物語が沢山あるはずです。
それも10年分の物語が詰め込まれているはずです。どんな物語があったのか、特別は聞きませんでした。革は人の顔の如く年輪を刻んでいくので、それを見た時に「味のある顔」と感じる時があると思います。
均整のとれた、整った、と言う意味ではなく、「いい顔をしている」と。(人の顔も同じで、年を重ねないと出てこない味がありますね。)
当時のWINGSを眺めながら、そんなことを思いました。
同時にWILDSWANSのこの10年や、WILDSWANSの初心についてもボンヤリ考えていました。Tさんが使っているこの財布の表情や年輪を見て、見失いがちで、忘れかけていたものを思い出したような気がしました。
続きます。