キーケース・DAKARはベーシックなフォルムでありながら、一般的なシリンダーキーやディンプルキーをはじめ、スマートキーやカードキーなど様々な形状のカギを同時に収納できる頼もしいアイテムです。初登場からまだ日は浅いものの既に様々なシリーズで登場しており、人気アイテムとして頭角を現し始めています。そのDAKARが、今回新たな装いで登場します。
素材とカラーが異なる3種のDAKARを展開しますが、シリーズによっては在庫限りのスポット生産品となりますので、完売の際はご容赦ください。それではさっそく、各シリーズについてご紹介いたします。
〇キーケース・SADDLE PULL UP / DAKAR(ダカール)・・・25,300円(税込)
カラー:GREEN
※入荷案内対象外のアイテムです。
ベルギー・マシュア社が手掛けるサドルプルアップは植物タンニン鞣しの牛革で、非常に堅牢でハリの強い皮革です。一時期は供給が不安定でしたが、2023年6月10日よりBLACKが再び定番品として展開することとなりました。NATURALとCHOCOは、スポット生産品として発売される他、パターンオーダーでお選び頂ける素材として人気を集めています。WILDSWANSにおいて、サドルプルアップで馴染みのあるカラーというとこの3色でしょうか。
今回ご用意したのは、サドルプルアップのGREENです。GREENはこれまでに展開したカラーとは異なり、WILDSWANSの依頼によってマシュア社が特別に製作したカラーです。はっきりと鮮やかで、しかし奇抜ではない見事な発色を実現しました。ステッチはチャコールグレーを使用しており、全体の雰囲気を壊さない落ち着いた配色です。今のところ次回生産が未定のスポットカラーとなりますので、この機会に是非ご覧ください。
こちらはスタッフが半年ほど使用したサドルプルアップ/ GREENのTONGUEです。新品時と比べて柔らかな緑色が浮き出てきたようで、透き通るような美しい風合いを堪能して頂けます。油分を多く含む皮革にみられる「プルアップ効果」によって、ご使用からしばらくの間はやや色味が明るいように見えることもありますが、使用を重ねることで徐々に変化が起こり、次第に落ち着いたトーンになってまいります。
サドルプルアップのGREENを使用したアイテムは以前にもご紹介しましたが、発売後まもなくすべてのアイテムが完売となりました。今回僅かではありますがスポットカラーであるグリーンのサドルプルアップがご用意できましたので、注目の新型キーケースを製作してみました。ぜひご検討ください。
〇キーケース・SHELL CORDOVAN / DAKAR (EB)(ダカール)・・・38,500円(税込)
COLOR:#8(内装DARK BROWN)
※入荷案内対象外のアイテムです。
シェルコードバン(アメリカ・ホーウィン社)の#8を使用したDAKARが登場するのは今回が初となります。シェルコードバンは言わずと知れた世界屈指の銘革であり、#8とはワインのように深みのあるダークバーガンディ色を指します。数あるコードバン(馬革)の中で最高峰のものとして君臨しているものの、年々入手が困難となっており、近年はWILDSWANSにおいてもこの皮革の入荷は減少傾向を辿っています。
内装にはイングリッシュブライドルレザー(アメリカ・ウィケット&クレイグ社)のDARK BROWNを使用します。こちらも近年著しく入荷が減少した皮革で、WILDSWANSでは2023年現在、イングリッシュブライドルレザーを使用した製品の入荷案内を停止しています。このため、次回生産分の内装については原則ベルギー牛革・サドルプルアップを使用する見込みです。
イングリッシュブライドルレザーは蜜ロウや植物性油などの油分をたっぷりと含ませた、いわゆる「ブライドルレザー」に分類されます。堅牢で優れた耐久性はブライドルレザーのそれですが、革の表面にはブルーム(白いロウ成分)がほとんど見当たりません。マットで滑らかな表情をもち、程よいコシと弾力がありつつも、しなやかで扱いやすい上質な皮革です。
上の画像はイングリッシュブライドルレザー/ DARK BROWNのエイジングサンプルです。使い始めのマットな表情は光沢を帯び、さらりとしていた革表面はしっとりとした触り心地に変化します。
イングリッシュブライドルレザーは、シェルコードバンの鋭い光沢とも相性が良く、また深く上品なカラーコンビネーションも絶妙で、まさに大人にふさわしいキーケースといった佇まいです。
〇キーケース・SHELL CORDOVAN / DAKAR (SD)(ダカール)・・・38,500円(税込)
COLOR:BLACK
※在庫切れの際は入荷案内を承ります。
#8と同じく、シェルコードバンのBLACKを使用したDAKARも今回が初の登場となります。こちらは内装にサドルプルアップ/BLACKを使用しています。
※今のところ、イングリッシュブライドルレザー/BLACKを内装に用いたDAKARの生産予定はありません。
上の画像ではスタッフが約2年使用したシェルコードバン/BLACKのENOを掲載しています。強く鋭い光沢が印象的です。油分を潤沢に含んだ皮革ですので、お手入れは乾拭きや柔らかい毛足のブラシでブラッシングする程度で充分です。
こちらはスタッフが約1年使用したサドルプルアップ/BLACKのENOです。使い始めのギラリとした光沢がさらに艶めきを増し、シェルコードバンに勝るとも劣らない力強い光沢を放っています。
シェルコードバンとサドルプルアップはどちらもWILDSWANSを代表する皮革の一つであり、頑健でたくましく、鏡面のように美しい表情は多くの人々を魅了してやみません。エイジングの妙をたっぷりと味わえる組み合わせです。
各シリーズについてご紹介したところで、ここからはDAKARの使用方法やディティールについてご説明させて頂きます。DAKARは鍵を包みこむタイプのベーシックなキーケースですが、スマートキーのような大きな鍵の収納も想定しています。そのため、フラップを閉じた状態でも中がぽっかりと空洞になるように設計されています。
多機能コインケース・TONGUEと並べて見ると、大きさはほとんど変わりません。DAKARは内側が空洞状になっているためTONGUEよりも厚みのあるフォルムですが、それでも手のひらサイズのコンパクトなアイテムであることが分かります。
外装は一枚革をぐるりと巻くように形成されており、丸みを帯びた側面にはハトメが取り付けられています。
フラップは中央にある1点のホックで開閉します。なお、ホックはハトメと内装のキーフックに合わせてシルバーカラーを使用しています。
※DAKARは折り曲げ部分の1か所にハトメが備えられており、フラップはホック1点で留められているため、フラップを閉じた様態では多少歪んで見えることがあります。革が馴染むとこのゆがみは改善されますが、製品の仕様上避けられないものとなりますので予めご了承下さい。
こちらが内装です。中央上部の4連のキーフックはamiet社製のもので、廃番となったCLIPPER2に使用していたものと同様の金具であり、非常に優れた耐久性を持つパーツです。
4連キーフックのうち、向かって左側の大振りなキーフックは厚みのある鍵の収納を想定しています。
※新品の状態ではキーフック部分に保護パーツが取り付けられています。ご使用時には外してお使い下さいませ。
キーフックの背面にはカードポケットを設けています。カードがスムーズに出し入れできるように、左右どちらからでも収納できる仕様です。フラップが開口部を覆うため、抜け落ちる心配もありません。プラスチック製のカードでしたら2枚ほど収納できますが、同時に収納する鍵の厚みによってはフラップが閉じなくなりますので、ご自身で調節してお使いください。
スマートキーのような厚みも幅もある大きな鍵はキーフックに取り付けるほか、外装のハトメにも装着できます。装着するときは別途金具パーツを併用することをおすすめします。金具が中継役となり、鍵の位置や向きの微調整がしやすくなります。WILDSWANS製品では、カラビナキーリング(SまたはMサイズ)がハトメに対応しています。
※上の画像ではカラビナキーリングSサイズを併用しています。
スマートキーの模型(W40×H70×D15mm)をハトメに装着して納めてみると、しっかりとフラップを閉じることができました。4連キーフックには一般的な鍵を1本ずつ、背面のカードポケットにはプラスチックカードを2枚収納した上で模型を収納していますので、キーケースとして申し分のない収納力といえるでしょう。
収納する鍵の数や大きさ、カードの枚数によって容量は前後します。スマートキーなどはカラビナキーリングなどの金具パーツなどを介してハトメに装着したままぶら下げることもできますので、フラップが閉じない場合は無理に閉じようとせず、収納方法を変えてお使いください。
いかがでしたでしょうか。様々な形状の鍵を同時に収めることができる新型キーケース・DAKARのご紹介でした。今回ご紹介したアイテムは、現在WILDSWANSの直営店である銀座のWILDSWANS support&galleryとWILDSWANS Online Shopで発売中です。