シェルコードバン
アメリカ ホーウィン社 Horween Leather Company
- シェルコードバン
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ホーウィン社はアメリカ・イリノイ州シカゴに本拠地を構えるタンナーで、100年以上の歴史を誇る、伝統的且つ世界的なタンナーです。ホーウィン社のコードバン革(馬の臀部を削り出した革)は、昔ながらの方法で植物性タンニンにより鞣されており、革の風合いを損ねない極めて自然な仕上げが施されています。
長時間をかけた加脂により、張りはあっても柔軟性やしなやかさに富み、使い込む程に味の出てくる革です。また、通常自然の風合いを残したナチュラルな仕上げのコードバン革は、山折りに折り曲げると革繊維が立ち、ザラザラとした手触り(=ザラ)になるものですが、ホーウィン社のコードバン革はオイルがたっぷりと入っていますので、しっとりとした手触りでザラはとても少ないです。またザラがあったとしても、使っていると徐々に革繊維が寝てきてしっとりスベスベの手触りへと変わっていき、自然な光沢も生まれてきます。
表面は自然な仕上げを施していますので、革の表面全体は小さな傷やピンホールと呼ばれる毛穴や毛細血管の形跡が残ったままですが、これらは使っていく程に革繊維が寝てくることにより徐々に目立たなくなります。使えば使うほど独特の鈍い光沢を放ち、お手入れの回数も非常に少なく、経年変化を楽しむ上では非常に育て甲斐のある魅力的な革です。
- ケア方法
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ホーウィン社のコードバン革は非常に潤沢なオイルが含まれておりますので、基本的にご使用から約1年間はクリームをお入れになる必要はございません。早く光沢を上げたい場合でも、自然なエイジングに任せ、定期的に柔らかい布で乾拭きをするくらいで十分です。(※過剰にクリームを塗布されることで表面が湿った様な雰囲気となり、艶が一切上がらない症状を引き起こす可能性がございます。ご注意くださいませ。)長期間の使用後もオイルが不足することは殆どないレザーですが、万が一乾燥や、表面の繊維質のザラつきを感じましたら米粒1粒~2粒程度の量のクリームを布に取り、一度布に馴染ませてから全体に伸ばし、柔らかい布でよく磨いてください(※コードバン革の表面は一般的な牛革と比べて柔らかいので、乾拭きする際は小傷を避ける為にも柔らかい布でお願い致します。)
- 推奨ケア用品
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サフィール コードバンクリーム
コロニル 1909シュプリームクリームデラックス、または プレミアムディアマント 無色
モウブレイ アニリンカーフクリーム等(無色の靴用保革クリーム、他社のコードバン革用クリームでも代用可能です。)
- ご注意点
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水濡れについて
コードバン革は皮革類の中でも特に水分湿気を苦手とします。濡れてしまった場合は、すぐに拭き取ってから陰干しを行って下さい。また水濡れの結果、レザー表面に「ブク」と呼ばれる膨らみが生じた場合、仕上げ時に寝かしつけた繊維が起毛してしまった可能性が高いです。完全に乾かした後、少量のクリームを塗布し、上から圧力をかけて乾拭きをすると繊維が再度寝ますので、症状は緩和します。(※但し圧力をかけて乾拭きした部分は、周辺よりも光沢が上がってしまう可能性がございますので、十分ご注意下さい。)
防水スプレーについて
使い方によってはシミや色ムラ、曇りなどが発生する可能性がございますので、シェルコードバンに対してのご使用はお勧めしておりません。
汗について
汗に含まれる成分によって革の色落ちや変色はもちろん、革そのものを急速に傷めます。特に夏場にズボンのポケットに入れてご使用になる場合は十分にご注意下さい。
傷について
コードバン革は一般的なスムースレザーと比較して表面が柔らかい為、傷が入りやすいレザーです。鞄の中に入れて持ち運ぶ際などはお気を付け下さい。但し傷に見える症状も繊維が起毛しているだけの場合もあります。水濡れ時と同様、少量のクリームを塗布した上で圧力をかけて乾拭きをしますと、繊維が寝て症状が緩和する可能性もございます。(※但し圧力をかけて乾拭きした部分は、周辺よりも光沢が上がってしまう可能性がございますので十分ご注意下さい。)
移染について
自然の風合いを残した仕上げのホーウィン社のコードバン革は、革繊維と色素との結着が弱い為色抜けや色移りがしやすいレザーですので、衣類と強い摩擦が生じますと色移りの可能性がございます。また汗や雨などによって製品が湿っている状態ですと、比較的弱い摩擦でも色移りいたします。白色などお色味の薄いお召し物には十分ご注意下さい。また、長時間紫外線に当てますと退色・変色の原因となりますので、十分にご注意下さい。
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