クロムエクセル

アメリカ・イリノイ州シカゴのホーウィン社が製造するクロムエクセルは、牛の原皮をコンビ鞣し（クロム・タンニン両方で鞣すこと）で鞣しており、クロム鞣しの柔らかくしなやかな耐久性と、タンニン鞣しの風合いや経年変化、可塑性を併せ持った素材です。

およそ100年近く前に開発され、当時から現在まで同じ製法で作り続けられている伝統の皮革でもあり、ホーウィン社ではシェルコードバンと並ぶ主力の素材です。

製造には施設の5フロアを全て使用し、28日間で89の工程を経て完成するという、複雑で特殊な作業が必要になるそうです。

製造工程で天然のオイルやワックス、グリースを独自の配合で調合し皮革に浸透させますが、最高の皮革には最高の成分が必要だとの哲学から、食用にも出来る品質の牛脂や化粧品に使用される品質の蜜蝋など、配合する材料一つ一つにも拘って製造されています。

仕上げに牛脚の脂肉と骨から抽出した「牛脚油」でコーティングされて完成となるため、たっぷりと油分を含み、柔軟で耐水性に優れた表情豊かな皮革に仕上がります。

始めからオイルを多く含んでおりますので、基本的にクリームを塗って頂く必要はございません。ご使用頂くなかで革が乾燥してくることがありましたら、無色のクリームをごく少量布に取り、良く馴染ませ製品に円を描くように動かし塗布してください。その後、柔らかい布で力を入れずに乾拭きを行ってください。（※多量の油分はオイル染みやコシの抜け等、革の風合いを損ねる原因となりますので、過度な塗布は十分ご注意ください。）

コロニル　1909シュプリームクリームデラックス、または　プレミアムディアマント　無色（無色の靴用保革クリームでも代用可能です。なるべくロウ分の多いクリームをお選びください）

馬毛ブラシ、山羊毛ブラシ

水濡れについて

クロムエクセルは比較的水に強いレザーではありますが、やはり多量の水分を嫌います。多量の水分はカビの原因となり、放っておくとカビが革繊維の内側に根を張り、完全に取り除くことが難しくなります。 もし多量の水分に濡れてしまった場合は、すぐに乾いた布で拭き取り、陰干しをして下さい。（※ドライヤーや日光に当てるなどの急速乾燥は、革の風合いを損ねる原因となりますので、くれぐれも行わないようお願い致します。）